COLUMN コラム

ジョセフィーヌストーリー【2】

2016.05.09

~社交サロンの華 ボアルネ未亡人~

最初の夫、アレキサンドル・ボアルネ子爵をフランス大革命の激動の中で失ったジョセフィーヌは、九死に一生を得たものの、一文無しで二人の子供を抱えていました。財産は国に差し押さえられ、実家の父と妹も亡くなり、母一人では送金も望めません。しかし、ジョセフィーヌには不思議な人徳があり、無から有を生み出す錬金術を心得ていました。

それなりの家具を備えた家に4人の召使をかかえ、彼女は馬車で「藁葺きの家」に乗りつけます。
この「藁葺きの家」とは、当時パリのモンテーニュ通りの一角にあったサロンのこと。
外見は田舎の別荘風でしたが、中はまったくの別世界で、ギリシャ・ローマ風の内装と贅の限りを尽くした家具調度品。夜になると、社交界の花形女性や政界の大物、貴族、軍人など錚々たるメンバーが集まり、その中に最新ファッションに身を包んで踊るボアルネ未亡人の姿がありました。

恐怖政治から開放された社交界の人々は、華やかな人生を思う存分楽しみました。
ジョセフィーヌは熱心なゲストのひとりとしてサロンの若き女主人のテレジアと親友になり、そしてこのサロンに若き日のナポレオン・ボナパルドが現れたのです。

(続く)